当院では脳神経外科として「脳梗塞 頭痛」に関するご相談を多く受けています。みなさんが「いつもの頭痛」と思って見過ごしている症状の中には、脳梗塞の初期サインが隠れている可能性があるのです。本ブログでは、「どのような頭痛が危険なのか」「早期発見の重要性」「予防策」などをわかりやすく解説していきます。

もし、いつもと違う痛みを感じたり、不安を覚えたりしたら、自己判断で様子を見るよりも、早めに専門家に相談することが大切です。ぜひ最後までご覧ください。
頭痛がひどい時の対処法と注意点
頭痛は誰にでも起こり得る症状ですが、脳卒中の前兆となっているケースも否定できません。ここではまず「どういう状態が“頭痛がひどい”といえるのか」を整理し、次に頭痛の主な種類とそれぞれの特徴を確認していきましょう。
頭痛がひどいとはどういう状態か
1. 緊張型頭痛
- 普段と違う激痛、あるいは痛みが急激に増した
- 数日以上続いている、もしくは断続的に何度も繰り返す
- 日常生活(仕事・家事・学業)に支障が出るほど強い痛み
- 頭痛以外にも、めまい・嘔吐・しびれなど神経症状を伴う
2. 片頭痛(偏頭痛)
- 【特徴】ズキンズキンと脈打つ痛み。片側に起こりやすい
- 【原因】脳内血管やホルモンバランスの変動、ストレスなど
- 【対処法】冷やす、暗い部屋で安静にする、専用薬の服用
- 【特徴】ズキンズキンと脈打つ痛み。片側に起こりやすい
- 【原因】脳内血管やホルモンバランスの変動、ストレスなど
- 【対処法】冷やす、暗い部屋で安静にする、専用薬の服用
3. 群発頭痛
- 【特徴】目の奥を刺すような激痛が繰り返し起こる
- 【原因】血管拡張や自律神経の乱れ等、詳細は未解明
- 【対処法】専門医の治療(酸素吸入・薬物療法など)が必要
4.二次性頭痛について
- 【特徴】脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など別の病気が原因
- 【対処法】早期にCTやMRIなどで検査し、原因疾患の治療を行う
- 【特徴】目の奥を刺すような激痛が繰り返し起こる
脳梗塞は血管のつまりがゆるやかに進む場合もあり、痛み自体が軽度の場合があります。しかし突然悪化するリスクもあるため、**「いつもの頭痛と何かが違う」と感じたら早めに専門医を受診することが大切です。
頭痛がひどい時に考えられる原因
ストレスとその影響
ストレスが続くと自律神経が乱れ、血管が収縮や拡張を繰り返すため、緊張型頭痛や片頭痛を引き起こしやすくなります。脳血管にも影響を与えるため、脳梗塞のリスクを高める要因にもなるのです。
睡眠不足や体調不良
睡眠の質や量が十分でないと、脳の休息が不十分になり、頭痛が起こりやすくなります。インフルエンザや他のウイルス感染でも、発熱や体のだるさと共に頭痛を訴えるケースが多く見られます。
疾病による頭痛 (インフルエンザ、ウイルス感染)
インフルエンザなどの感染症による頭痛は、体が回復すれば症状が和らぐことが一般的ですが、長引く場合は二次性頭痛や合併症に注意が必要です。
まずは専門家に相談を
今までに感じたことのない強い痛みや、不安が強いときは、まず専門家に判断を仰ぐことが最も大切です。その理由は、脳梗塞や脳出血など重篤な疾患が隠れている可能性があるからです。自己判断で市販薬を飲むだけでは、重大な病気の発見が遅れ、取り返しのつかない状態になるリスクがあります。特に脳神経系のトラブルは、早期治療が予後に大きく影響しますので、ひどい痛みや不安を感じたら、まずは医療機関の受診を優先しましょう。
自宅でできる簡単な症状緩和法
- 安静と水分補給
頭痛が強いときには、静かな場所で横になるなどして体を休めてください。脱水は血管トラブルを助長しやすいため、こまめな水分補給も大切です。 - 首・肩のストレッチ
筋肉のこわばりが原因で起こる「緊張型頭痛」には、軽いストレッチやマッサージが有効です。血流を促進し、痛みが和らぐことがあります。 - 頭を冷やす・温める
- 片頭痛(血管拡張タイプ)の場合は、冷やすことで痛みが軽減しやすいとされています。
- 緊張型頭痛(筋肉のこわばりタイプ)の場合は、温めて血流を促すと痛みが楽になるケースがあります。
お風呂の利用と注意点
- 緊張型頭痛: 38~40度程度のぬるめのお湯に浸かると筋肉がほぐれやすく、リラックス効果も期待できます。
- 片頭痛: 熱いお湯に長く浸かると血管拡張が進み痛みが増す可能性があるため、短時間またはシャワーだけにするなど工夫が必要です。
- めまいやしびれがある場合: 入浴は控え、安静を保ち早めに専門医を受診してください。
薬の選び方と効果
- 市販薬
- 緊張型頭痛には、鎮痛成分を含む市販薬(NSAIDsなど)が効果を発揮することがあります。
- 片頭痛は血管の拡張を抑える薬(トリプタン系など)が必要になる場合があり、市販薬だけでは十分に効果が得られないケースもあります。
- 処方薬
- 医師による正確な診断のもと、頭痛の原因や種類に合わせて薬が処方されます。
- 背景に潜む疾患(脳梗塞や脳腫瘍など)の治療も並行して行う必要がある場合があります。

どのタイミングで病院に行くべきか
- 3日以上頭痛が続く場合
市販薬を使っても改善しない、むしろ悪化していると感じるなら早めに受診を。 - 突然の激痛
「ハンマーで殴られたような痛み」はくも膜下出血など重大な疾患を疑うサインです。 - しびれ、嘔吐、意識障害、言語障害を伴う
脳梗塞や脳出血の可能性が否定できません。救急対応が必要です。 - 高熱や発疹を伴う
髄膜炎をはじめ、感染症の可能性もあるため早めの検査が重要です。
頭痛を予防するための生活習慣
ストレス管理の方法
- リラクゼーション法: 深呼吸やヨガ、瞑想を取り入れ、心身の緊張をほぐします。
- 適度な運動: ウォーキングや軽いジョギングなどで血行を促進し、ストレス発散にも繋がります。
- タスク・時間管理: 過密なスケジュールは心身の負担が大きいため、上手に優先順位をつけましょう。
健康的な食生活と水分摂取
- バランスの良い食事: ビタミン・ミネラルなど不足しがちな栄養素を意識的に取り入れましょう。
- 水分補給をこまめに: 軽度の脱水でも脳梗塞や血流障害のリスクが高まります。
- カフェイン・アルコールの摂取量を調整: 過剰摂取は頭痛を引き起こす要因となるため注意が必要です。
睡眠環境の整え方
- 寝室の環境整備: 温度・湿度を適切に保ち、快適な寝具を使う。
- 就寝前のスマホ・PC制限: ブルーライトが睡眠の質を下げ、頭痛を誘発しやすくします。
- 規則正しい生活リズム: 決まった時間に就寝・起床することで体内時計を整える。



よくある質問
Q1. ストレスによる頭痛はどうすれば治りますか?
A: ストレス源の特定と回避・軽減が基本です。リラクゼーション法や軽い運動、カウンセリングなどで自律神経を整えると頭痛が和らぐことがあります。症状が慢性化している場合は、深刻な疾患の影響も否定できないため、一度専門医に相談しましょう。
Q2. 何日も頭痛が続いたら必ず病気でしょうか?
A: 原因は様々ですが、頭痛が長引く場合や市販薬で改善しない場合、脳梗塞・脳出血などのリスクを含め、専門的な検査が必要です。早めに受診して検査を受けることをおすすめします。
Q3. 片頭痛は一生付き合うしかないのですか?
A: 個人差はありますが、医師と相談しながら適切な治療を続けることで、症状の頻度や強度をコントロールできるケースが多くあります。生活習慣の見直しも効果的ですので、一度受診してみましょう。
まとめ
頭痛が「いつもと違う」「強い痛み」「不安が大きい」と感じるときは、まず専門家に判断を仰ぐことが重要です。自己判断で対処が遅れると、脳梗塞や脳出血などの重大疾患を見逃してしまうリスクもあります。早期受診・早期治療が、重篤化を防ぎ予後を良好にする鍵です。
もちろん生活習慣の改善やセルフケアで頭痛が緩和する場合もありますが、原因が分からないまま放置すると取り返しのつかないことになりかねません。少しでも異変を感じたら、迷わず専門医へ相談しましょう
医療法人FOREST もてぎクリニック
神奈川県小田原市蓮正寺275-3